歩きすぎ!?踵(かかと)が痛い! [65歳・男性]
「歩きすぎかな?」
いかにも昔から運動をバリバリとしていらっしゃるような体の強そうな方が足を引きずりながら来院されました。
「どこが痛いのでしょうか?」→写真で左足踵の方が腫れています。
「足の裏が全体だけど、特に左かかと寄りかな」
きけば毎日2時間歩くとの事。
「頑張りすぎましたね」
普段私達の身体と地面を支えている足には、当然ではありますが、大きな負担がかかっています。
踵は歩行や走行時に地面に接地する部分であり、ただ立っている時も足裏に加わる重さの約1/2は踵へ伝わるとされています。
足部を支える踵の骨の周りには、あらゆる衝撃を吸収するためのクッションとなる脂肪組織や強固な腱(けん)や靱帯(じんたい)が備わっており、その全部が踵の骨についています。
だからこそ運動のしすぎや急な体重増加等で踵に負担がかかり炎症を起こしたり、それに付随した病状も出やすくなります。
また、年齢により踵のクッションである脂肪組織が薄くなってしまうことも痛みのリスクファクターでしょう。
踵の痛みには大きく分けて3種類あります。
1)足底腱板炎(そくていけんばんえん)
2)踵骨炎(しょうこつえん)
3)アキレス腱滑液包炎(アキレスけんかつえきほうえん)
1)足底腱板炎(比較的運動を良くする若い方に多く、足裏の踵寄りに痛みが集中します)
足底腱板炎は腱膜炎または筋膜炎ともいいますが、主に足裏の硬い筋肉が付いている踵の骨に大きな負担がかかって痛みが起こります。
ランニングやジャンプなどの動作を繰り返すスポーツを良くしている方は皆さん経験しているようです。
まとめると痛みの原因には大きく2種類あり、足裏が硬くなってしまった場合ともう1つは足裏の筋力が低下して起こるのです。
2)踵骨炎(比較的高齢の方に多く踵のてっぺんや、少し後ろ側が痛い)
踵骨炎は踵の脂肪組織が減ることなどで、踵の骨が変形し骨棘(こつきょく)つまり骨のトゲを形成したり、骨膜に負担がかかり炎症を起こし痛くなるものです。
3)アキレス腱滑液包炎(よく走るスポーツをする若い方に多く、踵の後ろやアキレス腱の下側が痛い)
踵の骨の下には脂肪や滑液包(かつえきほう)があり、骨への衝撃を和らげる役割を持っています。その部分に炎症が起きると踵骨炎や滑液包炎が発症します。
アキレス腱は踵の骨に付着していて、その間に液体で満たされた袋のようなものである滑液包があることによって摩擦や衝撃を防いでいます。しかしその部分に炎症が起こると、痛みや腫れが誘発され、歩くだけで痛いということも起こるのです。
冬になると多いのですが踵の皮膚が割れて痛い場合、また踵の水虫などお医者様に行かなくてはならない痛みもあります。
上記の1)~3)は必ず原因と傷病により痛い箇所の違いがあります。
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